アパートやマンションを所有するオーナー様にとって、給湯器の故障対応は頭の痛い問題です。とくに築10年を超えた物件では、複数の部屋で立て続けに給湯器が故障するケースが珍しくありません。その都度1台ずつ交換するのか、それとも一棟まとめて交換するのか。判断を迷うオーナー様に向けて、一括交換のメリット・費用・進め方を詳しく解説します。
なぜ一棟まとめて交換する?3つのメリット
一棟分の給湯器をまとめて交換することには、1台ずつ対応する場合にはないメリットがあります。主な利点は以下の3つです。
メリット1:ボリュームディスカウントで費用を抑えられる
給湯器の交換を複数台まとめて依頼すると、機器代・工事費ともにボリュームディスカウント(数量割引)が適用されるのが一般的です。1台あたりの単価が下がるため、トータルの支出を抑えることができます。たとえば6戸のアパートで1台15万円の給湯器を個別に交換すると合計90万円ですが、まとめて依頼すると80万円前後に収まるケースもあります。
メリット2:スケジュールを一括で管理できる
1台ずつ交換すると、故障のたびに業者の手配、入居者との日程調整、工事立会いといった対応が発生します。一括交換であれば、これらの手間を1回にまとめられます。オーナー様の管理負担が大幅に軽減されるだけでなく、業者側も効率よく工事を進められるため、工期の短縮にもつながります。
メリット3:型番統一でメンテナンス効率がアップ
全室を同じメーカー・同じ型番の給湯器に統一すると、将来のメンテナンスが格段に楽になります。部品の共通化により修理対応が迅速になるほか、故障時の代替機手配もスムーズです。管理会社やメンテナンス業者との連携もシンプルになり、長期的なランニングコストの削減にも寄与します。
費用負担の経理処理や節税効果について詳しく知りたい方は、「オーナー様向け|給湯器の費用負担と税務処理」もあわせてご覧ください。
一括交換の費用シミュレーション
実際にアパート一棟分の給湯器をまとめて交換する場合、どの程度の費用がかかるのか。6戸のアパートを例にシミュレーションしてみましょう。
個別交換の場合(1台ずつ交換)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 給湯器本体(20号オートタイプ)1台 | 約100,000円 |
| 標準工事費 1台 | 37,400円~ |
| 1台あたり合計 | 約150,000円 |
| 6戸合計 | 約900,000円 |
標準工事費は取り付けに必要な基本工事の費用です。配管の延長や特殊な設置条件がある場合は別途追加費用が発生します。標準工事の詳しい内容は標準工事費のご案内(gas-kyuutouki.com)をご確認ください。
一括交換の場合(6台まとめて交換)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 給湯器本体+工事費(6台一括) | 約800,000円前後 |
| 1台あたり換算 | 約133,000円 |
| 個別交換との差額 | 約100,000円のコスト削減 |
一括交換では、機器の大量仕入れによる値引きに加えて、職人の移動コストや足場・養生の共有によって工事費も圧縮されます。6戸規模でも約10万円の差が出るため、10戸・20戸の大規模物件ではさらに大きなコストメリットが見込めます。
なお、省エネ性能の高い「エコジョーズ」を導入すれば、入居者のガス代削減による物件の魅力向上も期待できます。詳しくは「エコジョーズ導入で空室対策」をご覧ください。
一棟まとめてのお見積もりもお気軽にどうぞ。Web見積もりはこちら、またはLINEで写真見積もりもご利用いただけます。
一棟交換の進め方 — 5つのステップ
一括交換は以下の5つのステップで進めます。全体のスケジュールは、最初の現地調査から工事完了まで、概ね3~4週間が目安です。
ステップ1:現地調査
まず、業者に物件全体の現地調査を依頼します。現地調査では以下の点を確認します。
- 各部屋の給湯器の設置場所・型番・号数
- 配管の状態(劣化の程度、配管径の確認)
- 排気方式と設置スペースの制約
- ガスの供給方式(都市ガス/LPガス)
現地調査は基本的に無料で行ってもらえるケースがほとんどです。全室の状況を一度に確認してもらうことで、最適な機種の選定と正確な見積もりが可能になります。
ステップ2:見積もり・機種選定
現地調査の結果をもとに、正式な見積書が提出されます。見積書では以下のポイントをチェックしましょう。
- 機器代と工事費が明確に分かれているか
- 一括割引がどの程度適用されているか
- 追加工事(配管交換や排気筒交換など)の有無と費用
- 保証内容(機器保証・工事保証の年数)
10年W保証(機器保証+工事保証)が付帯されている業者を選ぶと、交換後も長期間安心です。見積もりからご注文までの詳しい流れはご注文の流れ(gas-kyuutouki.com)でご確認いただけます。
ステップ3:入居者への告知
工事日程が決まったら、入居者への告知を行います。告知の方法とタイミングは次のセクションで詳しく解説しますが、工事の2週間前までには書面で通知するのが基本です。
ステップ4:施工
施工は1部屋あたり2~3時間が目安です。6戸のアパートであれば、2人体制で2~3日程度で全室の交換が完了します。工事中はお湯の使用が一時的に停止しますが、停止時間は通常1~2時間程度です。仮設給湯器を用意できる業者もありますので、長時間の停止が心配な場合は事前に相談しておきましょう。
ステップ5:完了報告
全室の工事が完了したら、業者から完了報告書が提出されます。報告書には以下の内容が記載されます。
- 交換した機器の型番・製造番号
- 工事内容の詳細
- 保証書
- 入居者への操作説明の実施記録
完了報告書は将来の修繕計画や確定申告時の証拠書類としても重要ですので、必ず保管しておきましょう。
入居者への告知と対応のコツ
一括交換を円滑に進めるうえで、入居者への告知は非常に重要です。適切な告知を怠ると、入居者からのクレームやトラブルにつながりかねません。
告知のタイミングと方法
工事の2週間前までに、以下の2つの方法で告知を行いましょう。
- 書面通知(各戸ポスト投函) — 工事日時、所要時間、お湯が使えない時間帯、問い合わせ先を明記
- 共用部への掲示 — エントランスや掲示板にも同じ内容を掲出
書面には「給湯器の老朽化に伴い、入居者様の安全と快適な生活のために交換を実施します」といった目的を明記することで、入居者の理解を得やすくなります。
工事当日の対応
工事当日は、以下の点に配慮します。
- お湯の停止時間を事前に周知 — 1部屋あたり1~2時間程度。停止する時間帯は事前に各戸へ通知
- 在宅が必要かどうかを明示 — 給湯器が屋外設置の場合、室内への立入りが不要なケースもあります
- 緊急連絡先の共有 — 工事中のトラブルや質問に対応できるよう、管理会社またはオーナー様の連絡先を知らせておく
工事後のフォロー
交換完了後は、各部屋の入居者に対して操作方法の簡単な説明を行います。特にリモコンの操作方法が変わる場合は、説明書を配布するだけでなく、口頭で使い方を伝えると安心です。
一括交換に適したタイミングとは
一括交換のタイミングを誤ると、まだ使える給湯器まで交換することになり、無駄なコストが発生します。以下の3つの条件に当てはまる場合は、一括交換を検討する良いタイミングです。
設置から10年以上が経過している
給湯器の設計上の標準使用期間は10年とされています。10年を超えると部品の劣化が進み、故障のリスクが急激に高まります。全室の給湯器が同時期に設置されている物件であれば、10年を目安に一括交換を計画するのが合理的です。
故障が2台以上出始めた
1棟のうち2台以上の給湯器で故障が発生した場合、他の部屋でも近いうちに同様の故障が起こる可能性が高いと考えられます。これは「ドミノ故障」とも呼ばれ、同時期に設置された同型番の給湯器に共通して見られる現象です。故障のたびに個別対応するよりも、この段階で一括交換に切り替えた方が、トータルのコストと手間を削減できます。
大規模修繕に合わせる
外壁塗装や屋上防水などの大規模修繕を予定している場合、給湯器の一括交換を同時に実施することで足場や養生を共有でき、工事費を抑えられます。また、修繕後の物件は見た目も設備も刷新されるため、入居者の満足度向上や空室対策にもつながります。
まとめ
アパート一棟の給湯器を一括交換するメリットと進め方について解説しました。ポイントを振り返ります。
- ボリュームディスカウントにより、6戸の場合で約10万円のコスト削減が見込める
- スケジュール一括管理で、故障のたびに業者手配する手間を省ける
- 型番統一により、将来のメンテナンスコストを抑えられる
- 進め方は5ステップ:現地調査 → 見積もり → 入居者告知 → 施工 → 完了報告
- 入居者への告知は工事2週間前までに書面で行う
- 設置10年超や故障2台以上が一括交換の検討タイミング
給湯器の突然の故障は、入居者の生活に直結する問題です。計画的な一括交換で、入居者の安心とオーナー様のコスト削減を両立しましょう。当社では一棟まとめてのお見積もりにも対応しており、標準工事費37,400円~、10年W保証、仮設給湯器のご用意も可能です。
お見積もりやご相談は、Web見積もりフォームまたはLINEで写真見積もりからお気軽にお問い合わせください。
